コラージュ大好き―「広がるコラージュ」展

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コラージュが好きなので、現在この展覧会をやっているので、観にいった。

「広がるコラージュ」展。目黒区美術館で、3月24日まで。

コラージュは身近な素材や写真などあらゆるものを組み合わせる手法で、思いがけないおもしろさが生み出される。そこがなんとも魅力的なアートだ。

ここに女性のアーティストの草分けのような桂ゆきの作品の展示があった。本では見ていたが、実物を観られてうれしい。

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この作品で、「ふたつのオレンジ色のかたち」。これは本からの写真。実物はおもったのより大きかった。

以下は本からの桂ゆきの作品。いつかどこかで観てみたい。

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世界各地に出かけ、創作の源泉を得たようで、これはそうした紀行文が書かれた本。『余白を生きる』(清流出版社)。

つい好きな作家の作品の本の紹介になってしまったが、草間彌生、野中ユリなどたくさんの画家のコラージュに出会えてよかった。

この展覧会のとなりで、「IIDA 101飯田善國」展もやっていた。
この展覧会もよかった。飯田善國(1923-2006)は目黒にゆかりのある芸術家で、作風がどんどん変わっていくのに目を見張った。

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これは「目黒川夜景」と題された4枚の油彩。この色合い、素晴らしかった。

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「戦争A-鎮魂歌-思い出す人々」、1955年の油彩。

そのあと、こういう作品をつくっている。

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これは単に丸い色を貼り付けたのではなく、言葉を色彩にしたもので、「クロマトポイエマ」という創作方法だそうだ。西脇順三郎の詩が絵となっている。なんて不思議な作品だろう。

アルファベットが色になり、文字になっているという。はじめて見た!

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後年にはこういう作品も。

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今日もいい日に。



# by komako321 | 2024-03-17 23:51 | 美術展

「生誕120年 僕の大切な写真 安井仲治」展

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安井仲治の写真展に行ってきた。

生誕120年というから、撮られている写真はおよそ100年近く前からのもの。それなのにとても感銘を受けた。
こういう写真家がいたことすら知らなかったので驚きだった。

安井仲治は日本の写真史で傑出した存在だという。1903年生まれ、1942年に亡くなられている、38歳だったそうだ。
10代に写真家としてデビューしている。

100年前の社会、現実を切り取っているけれど、決して古くない。むしろいま見てもモダンなどということを超えた、不変的なものを感じて、打たれる。

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きょう(2024.3.12)の朝日新聞夕刊にこの展覧会のことが載っていた。

私は写真を見て、感銘を受けた。すごいと思った。けれど、どう書いていいかわからないので、新聞の記事からこの写真家の仕事を評した部分を引用したい。
それは、「卓抜した幾何学的構成力と批評眼」と題されていて、「見事なアングル」「現実から的確に美をすくい上げる卓抜した批評眼こそ、安井の持ち味と思える。」と編集委員の大西若人さんが書いている。

そうか、そこがこころ打つのかと記事を読んだ。

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これは絵はがきから。会場は撮影禁止なので。

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安井仲治の展覧会は、東京ステーションギャラリーで、4月14日まで。

関心を持たれたら、ぜひ。

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今日もいい日に。

# by komako321 | 2024-03-12 19:50 | 安井仲治

平屋の本から林芙美子の家のこと

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去年、家の外壁を塗り替えるとき、上の写真のかんじにといったら、う~んと担当者が困り、「できますが、、」と言葉につまった様子。

かなり難しいようだった。

知り合いの専門職の人曰く「北欧の壁は土地から得られる色を使っているんだ」。

さらに知り合いに聞いてみると、「赤い外壁の家? それはご近所と合わないね」ともいわれ、ごく普通色にしてもらった。

あ、今回は平屋の話だった。

以前、小ぶりなおうちだったけれど、居心地がとてもいいお宅におじゃました。なんでかなと考えて、あ、平屋だったんだと思いあたった。

散歩でよく通る家も南の庭をへだてて、落ち着いた平屋。圧迫感がなく、とてもいいかんじ。

こんな本があった。

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『小さな平屋に暮らす。』(山田きみえ編 平凡社)

見ているだけでも平屋暮らしの良さが想像できる。

この中で平屋を設計した一人は知り合いの設計士さんだと発見。彼のつくった平屋も暮らしよさそうだった。

この本の私の読みどころの一つは最後の「建築家・堀部安嗣と「林芙美子記念館」を訪ねる。」。

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林芙美子記念館はたしかに平屋。だけれども建築としての林芙美子の家を論じたものは見たことがない。

著者・堀部安嗣さんは、林芙美子邸の魅力を建築家として、この家の作りを検証している。

記念館は見学者は入室できないので、内部からの庭の眺めなど、貴重。

堀部さんは書いている。

「あの時代に女性が家を考え、つくったことがこの家を特徴づけていると思います。それまでは旦那、男が家をつくっていましたから。男は、数寄屋とか書院とか民家とか形式を重んじます。この家の魅力は、そういう形式性が全く感じられず、臭みや嫌味がなく、無理したり見栄を張ったところがないところだと思います。」「これからの住宅を考えるにあたって示唆に富む民家といえるでしょう。」

林芙美子はこの家をつくるためにたいへん力を傾けたと聞いている。

そうか、建築家から見てもそういう家だったのか。
これを読んで、また林芙美子記念館にこんどは家をちゃんと見に行きたくなった。

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2020年にわたしが行ったときの林芙美子邸と庭。

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今日もいい日に。

# by komako321 | 2024-03-08 13:19 |

「中平卓馬 火|氾濫」展に行きました。

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「中平卓馬 火|氾濫」展に行った。

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この写真家についてはあまり知らなかったので、無色の状態で観たのだが、1960年代から70年代なかばの時代性を色濃く感じたとともに、何を撮ったかということに親しみを感じた。

とくに寺山修司の連載に写真を合わせたものなど、この人たちの同時代性と共感、お互いにリスペクトしていたことを知ったのもよかった。

写真が現実をきれいに写し取るものの流れのなかでは画期的な写真を撮った人だ。

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ボケていたり、ピントを外したり、そこに時代の状況がもろに感じられて、打たれるものがある。

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これは中上健次の初期の小説本で、なつかしいが、この表紙写真も中平卓馬だったんだと感銘。

そうした写真を撮っていたなかで、記憶喪失になり、そこからまたカメラを持つ。その後のカラーになった写真も展示されている。

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戦後の写真史で大きな仕事をした人であるが、いま観ることにも意義を感じた。

いい写真展だった。

東京国立近代美術館で。4月7日まで。

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久しぶりに近代美術館に来たなあ。皇居の周辺はマラソンをしている人たちがちらほら。
あ、きょうは東京マラソンだ!

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今日もいい日に。

# by komako321 | 2024-03-03 11:13 | 写真展

映画『カラフルな魔女』を観てきました。

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映画『カラフルな魔女』を観てきた。

『魔女の宅急便』の作者・角野栄子さんを撮ったドキュメンタリー映画。

楽しくて元気をもらえる作品の数々を生み出している作家の暮らしは、すでに数冊の本も出ているので知られているが、映画のなかの角野さんはその本のなかの角野さんのまま。

ピンク大好きな方なので、服もインテリアもピンク色。

よかったのはなによりもいいのは角野さんの明るい考え方を聞けたこと。

それから、ブラジルで知り合った少年がよきお年の男性となって来日し、角野さんと会ったその場面。何十年経ってもお互いを気遣い、いたわるエピソードに、こういうこともあるんだと泣けそうになった。

角野さんの一日は朝食のあと仕事をはじめ、夕方に終える。その勤勉さに驚き、ダラダラすごすことのもったいなさに気がついた。

「魔法とは、その人の喜び。誰にでも魔法はひとつだけはある。」角野さんの言葉。

ものごとを明るく考えて、喜びを見つけることで、人は生きているんだなとあらためて思う。

とってもキュートな映画だった。

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吉祥寺に出たので、いつもの井の頭公園に行く。

リスの小径ではさみしくも私はたまたま1頭だけしか見なかった。

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エサ台にもエサがたくさん。

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ということで、出てから、昼食へ。

吉祥寺マルイにあった豆花の店が閉店し、残念だったが、下の写真の店がクレヨンハウスのとなりにできていた。

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どうやら豆花専門店みたいなので入る。

豆花なんですという定食のようなものを注文。

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右は豆花。左は豆乳に揚げパン(油絛ユゥティアオ)を浸して食べるらしい。とくに朝ごはんに。これだけでおなかいっぱい。

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左の楊枝の大きなのがついているのは卵焼きだった。

店の横は豆乳製造機?

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この店の全面には各種の豆乳が並んでいる。

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ほうじ茶の豆乳を買って飲んだらおいしい。豆乳は苦手なのに。

それで、家でかぼちゃ入りの豆乳をつくった。

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これもおいしい。

次に小豆を入れた。

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これもおいしい。

いま、紅茶入りの豆乳をつくっているが、きっとおいしいはず。

俄然、豆乳好きになった。

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有元葉子の『「使い切る。」レシピ』(講談社)を見ていたら、「煮干しを水出しにする。」というのがあった。かつお節と昆布の水出しはやるけれど、煮干しはやったことがない。
それでやってみた。

じつは煮干しは苦手。くさみがあるかんじがあまり好きでない。

それで、いりこでやったのだが、この本に煮干しの頭の中のくろい部分と身のくろうはらわたを取って使うとあった。知らなかった!
それでせっせとはらわたを取って水出汁にしたら、くさみがない!おいしい出汁ができた。飲んでもいい。

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煮干しの出汁、歓迎だ。ちょっと空き時間があるとつくっている。うどんに最適かもしれない。

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今日もいい日に。

# by komako321 | 2024-02-25 14:46 | 映画

見たこと、読んだ本のこと、聞いたことを書いています


by komako321