レストランやオープンサンドの店などは夕方になると薄暗いくらいでした。
日本のように煌々と蛍光灯が点く下では食事をしないのですね。
たしかに、キャンドルが灯ったテーブルは日中とはちがう、ゆっくりとくつろげて、いっしょに食べたり会話する人との時間を和ませてくれるようです。
ヘルシンキ、コペンハーゲンのデパートでも、スーパーマーケットでも、キャンドル売り場はしっかりあって、たくさんのキャンドルが売られています。
日本に来ている留学生のTさんのヘルシンキのお母さんからおみやげにいただいたのも、お菓子と大きなキャンドルでした。
気に入りそうなキャンドルをプレゼントにする、そういう風習があるのでしょうね。
スーパーに同行してもらったヘルシンキ在住の学生さんに「ろうそくを使うの?」と聞くと、「そうですよ、テーブルに置いて、食事のときに、電気を消して」といわれました。1日にひとときでも、電気を点けない、暗闇にキャンドルで食事をする、東京では考えたこともない生活ですが、心を鎮めるには日々のいいアクセントになるかもしれません。
煌々とした部屋は事務室、日中の仕事をする場なのかも、素敵なデザインの照明機器が北欧に発達したのも、夜は夜の人間の暮らしがあることに気づいている社会だからかもしれませんね。
レストランで
この頃、日本に入ってきた「ヒュッゲ、HYGGE」という言葉があります。「人とのあたたかいつながりをつくること」のようですが、デンマークで出版された本『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せのつくり方」』(マイク・ヴァイキング、アーヴィン香苗訳、三笠書房)には「キャンドルをともせば、ヒュッゲはすぐにやってくる」と書かれています。
ちなみにこの本、コペンハーゲンの空港の本屋さんで売上No.1として、山積みになって売られていました。世界とはいいませんが、多くの人がデンマークの幸せはいかにつくられるているのかに関心があるのかも?
キャンドルを灯すことは暮らしのありようをスローダウンし、あたたかなつながりをつくろうとすることなのかもしれませんね。
今日もいい日に。