おはようございます。
冬にたい焼きをつくらなかったなとレンジ下にあるたい焼き器を見て思いました。たい焼きは楽しいものです。二つ折りのたい焼き型に小麦粉を溶いたものと餡をのせて、ひっくり返しながら数分焼くと一匹出来上がり。焼くのも見た目も食べるのもいい。
うちのたい焼き
そういえば、ワッフルメーカー(電気)が棚にとさがしました。ありました。冬も過ぎたから、こちらにしようかな。
ワッフルといえば、『小さい牛追い』(マリー・ハムンズ著、石井桃子訳、岩波書店)はノルウェーの農村の一家の物語なんですが、このなかのワッフルは食べたいものの一つです。
この本の作者は都市文化を否定して、原始的な農民の生活をした人。その生活の中からこの物語が生み出されました。
農場に住む4人の兄弟と両親は、村中の牛をあずかって山の牧場ですごします。兄弟は牛追いをしてお金を得るのです。
兄弟間のやり取りやそこに生まれる子どもの心情がていねいに書かれていて、ひとりっ子だった私にはこの本のなかの兄弟関係がとても興味深かったのです。
山の自然も描かれています。コケモモや木イチゴの実を採って食べたり、草花も、シラカバ細工のことも出てきます。
ノルウェーというと、フィヨルド、海のイメージですが、農村や山もあるのですね。
この物語にいくつかワッフルが出てくるところがあります。
主人公の少年(兄弟の兄)が未来のお相手になりそうな少女と会う場面で、少女がワッフルをもっています。
また、兄弟のいちばん下の女の子の誕生日の食べものの場面でも。こう書かれています。
「…この日は、まい年すばらしい日なのです。子どもたちはみんな、朝、ベッドで、ワッフルと、お砂糖の大きなかたまりを二つそえたコーヒーのごちそうをいただきます。」
そして牛追いが終わり、山の牧場から降りてくるときの休憩にバスケットからワッフルを出してみんなで食べる場面もあります。
石井桃子さんによるとこの子どもたちは作者の子どもたちがモデルとのこと。物語のなかで子どもたち兄弟をやさしく見つめるおかあさんは作者でしょうとこの本の最後の「『小さい牛追い』の思い出」で中川李枝子さんが書いています。そうか、これは現実のことが基になって書かれているのか。では、食べたワッフルはどんなものなのかしらと思いめぐらしました。こんなことを思うのがいちばん好きな時間です。
私の知っているワッフルというと、四角い形の凹凸のついたベルギーワッフルです。それなら食べたことがありますし、つくったことも。
ノルウェーのワッフルはどんなの?と調べると、いろいろとおもしろいことがわかりました。
ノルウェーでは、「いつでもワッフルタイム」といわれているほど、ノルウェー国民にワッフルが好まれているそうです。「ワッフルはノルウェーのアイデンティティと文化に不可欠な要素である」とオスロのノルウェー料理店の有名シェフがいうほどで、ワッフルに対する思い入れがすごいです。
そのワッフルはこういうものでした。
ワッフルの上にのっている茶色いのはブラウンチーズといわれるもので、山羊の乳から作られ、甘いチーズだとか。ノルウェーでは「ノルウェーのチーズは世界一」といわれていて、なかでも伝統的なこのチーズが最もおいしいとされ、とくにワッフルには不可欠で、いっしょに食べられることになっているらしいです。このチーズを食べてみたい。※ブラウンチーズではなく、サワークリームやベリー(リンゴンベリーなど)、ジャムなどをのせる食べ方もあります。
5つのハート型ワッフルの形は、きれいですし、楽しいですね。こういうワッフルメーカーでつくられるようです。
このワッフルメーカーが昔・物語の書かれた頃(この本は1933年に出版されています)から使われていたのかどうかが、知りたくてネットで古いワッフル焼き器を探しました。
イギリスの古物商のサイトがあり、そこにノルウェーのワッフルメーカーのものでデンマークで使われたようだという古びた赤銅色のものが載っていましたが、何年頃のかは書かれていなくてわかりませんでした。形は上の写真とそうちがわない、5つのハート型のワッフルメーカーでした。ノルウェーのワッフルは、やはり1900年代に入ってからはハート型なのかしら?
ノルウェーのワッフルメーカーは、いまのところ、日本では手には入りにくい様子。さがしましたが見当たりませんでした。
電気で焼く今風のワッフルメーカーならば販売しているのを見ますが、当時は暖炉か、コンロに置いて焼いたのでしょうから、直火に置いて焼く器具だったのだろうなと思います。
物語の食べものから、自分でもわけがわからないんですが、調理道具まで探してしまいました。
さらに、その頃からブラウンチーズが添えられていたのかな? と、問いはふくらみます。
ブラウンチーズは日本でも通販で買えます。
ノルウェーのワッフル調べはまた。
〈きょうのおいしい〉
埼玉県深谷市のあかいし農園から届いた野菜のなかに葉付き新玉ねぎが入っていました。(その時期の野菜を入れてくれる箱配達)
葉付きのものをスーパーで見ることはないので、めずらしいです。この葉、どうしようと思いましたが、クックパッドで葉を炒めるという料理を見ました。
新玉ねぎと葉の炒めもの。
小さなおかずです。切って炒めるだけ。かつおふりかけを振って、すき焼きのタレで味つけるという簡単なもの。でも、玉ねぎ、葉ともにやわらかく、おいしかったです。
今日もいい日に。